本記事では、「QCサークルの進め方」について書いていきます。
QCサークルは間違った方向に進めてしまうと目標を達成することはできません。「QCサークルはどのように進めたらよいか」、「QCサークルを成功させるポイントは」など知りたい人もいると思います。
基本的にはQCストーリーにしたがって進めていくのが良いです。各項目でポイントを説明していくので読んでみてください。
- テーマの選定
- 活動計画
- 現状把握
- 要因分析
- 対策
- 効果の確認
- 歯止め(標準化)
- 活動の反省と今後の課題
QCサークルとは
企業における品質改善活動になります。小集団でチームを結成して、継続的に「品質改善」、「業務改善」を進めていきます。改善活動を進めていくには、QC七つ道具などを用いてQCストーリーに沿って進めていきます。
PDCAを回す
Plan | 計画 |
Do | 行動 |
Check | 検証 |
Action | 改善 |
円滑に改善活動を進めるには「PDCA」を回すことが必要になります。計画を立てて、行動して、結果を検証して、問題を改善していくことになります。一回で上手くいかなければ、Plan → Do → Check → Action → Plan と繰り返していきます。
QC七つ道具
「QC七つ道具」と言われるツールがあります。QC七つ道具とは事実を統計的手法で分析するためのツールです。一般的にQC七つ道具とは以下のものを言います。
- パレート図
- 特性要因図
- グラフ
- チェックシート
- ヒストグラム
- 散布図
- 層別
それでは、どのように使われていくか見ていきます。
パレート図
パレート図とは、現象を項目別に層別して、頻度の高い順に並べることで、重要な問題を把握することが出来ます。
Excelでパレートを作成する方法はこちらの記事で紹介しています。 〉〉〉「 【Excel】パレート図の作成方法を紹介 」
特性要因図
特性要因図とは、問題と原因の関係を明確にすることが出来ます。「ブレーンストーミング」等により抽出された要因について、真因を分析するために用います。
グラフ
グラフとは、データを比較するときに目で見て分かりやすく表すのに用います。
チェックシート
チェックシートとは、データの分類や出現を把握することが出来ます。
ヒストグラム
ヒストグラムとは、データを幾つかの区間に分けて取ることが出来ます。
散布図
散布図とは、データ間の関係を見ることが出来ます。
層別
層別とはデータをグループに分けて問題点を把握することが出来ます。これらのQC七つ道具を用いて改善活動を進めていきますが、実際には、どのように進めていくのか見ていきます。
QCストーリーとは(事例紹介)
QCストーリーには、「問題解決型」と「課題達成型」が有りますが、ここでは、問題解決型についてストーリー(手順)を説明します。
問題解決型では、一般的には以下のようなストーリーで進めていきます。
- テーマの選定
- 活動計画
- 現状把握
- 要因解析
- 対策
- 効果の確認
- 歯止め(標準化)
- 活動の反省と今後の課題
製造業を例にして各項目ごとに見ていきたいと思います。
テーマの選定
テーマ | ア | イ | ウ | エ | オ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
① | ◎ | ◎ | ○ | ○ | △ | 11点 |
② | ◎ | ○ | ○ | ○ | △ | 10点 |
③ | ○ | ○ | ○ | △ | △ | 8点 |
◎:3点
○:2点
△:1点
テーマを選定するにあたっては、サークルメンバーの困り事や品質改善などについて「マトリックス図」を用いて数値化して選定します。
それぞれのテーマ(①~③)に対して、各項目(ア~オ)ごとに評価して(数値化)、点数が高いテーマを取り上げることになります。
テーマを選定するときには、全体の流れを考えてみること
いくら困り事だと言っても、行き当たりばったりにテーマを選定していては手詰まりになります。
候補に挙がったテーマに対して、ざっくりとでも現状把握~要因解析~対策~効果の確認までをイメージしてから選定すると良いです。
今回は「①Aと言う製品の不良改善」と言うテーマで進めていきます。
活動計画
項目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|
テーマ選定 | → | |||||
活動計画 | → | |||||
現状把握 | → | |||||
要因解析 | → | |||||
対策 | → | → | ||||
効果の確認 | → | → | ||||
歯止め | → | |||||
標準化 | → | |||||
まとめ | → |
活動計画を決めます。
この時に各項目に対して担当者を決めていきますが、QCサークル活動とはメンバー全員で活動することになりますので、全員で役割分担していくことが必要です。
現状把握
現状を把握するためには「パレート図」などを使うと良いです。パレート図を作成しワーストの不良項目について要因解析を進めていくことが重要です。
要因解析
「特性要因図」などを用いて要因解析をしますが、ここでは、4Mベースに要因解析をしていきます。
- M=Man(人)
- M=Machine(機械)
- M=Method(方法)
- M=Material(材料)
挙げられた要因に対して、対策を検討していきます。
対策
例えば、不良現象のワーストが製品のキズだったとします。
キズが発生する要因を特性要因図を用いて検討したときに、以下のが挙げられたとします。
①Man(人)=作業ミス、力量不足
②Method(方法)=作業手順書がない
①については教育訓練を計画してスキルアップを図ることが対策になります。
②については標準作業手順書を作成して人のバラツキを無くすことが対策になります。
このように、挙げられた要因を一つづつ潰していくことが必要になります。
基本的には要因一つに対して、対策→効果の確認と進めた方が良い
時間との兼ね合いになりますが、一度に複数の対策を実施してしまうと、どの対策が効果があったのか見えにくくなってしまいます。
効果の確認
実施した対策に対して、効果を確認していきます。
得られる効果が満足のいくものでなければ、再度、計画を立てて改善していきます。
「PDCA」を回していきます。
歯止め(標準化)
歯止めとは、問題の再発を防ぐために、対策を標準化していくことになります。
「標準作業手順書」などを作成して、再発しないようにします。
活動の反省と今後の課題
サークル活動にたいして活動の反省と今後の課題をまとめます。
まとめ
駆け足になりましたが、私なりのQCサークル活動についてまとめてみました。
実際にはサークルの数だけ進め方があると思いますが、継続的に活動していくことで自分のスタイルが確立されていくと思います。